こんにちは!MONREVEパーソナルトレーナーの樋口です。
今日は「肩こり」についてのお話です。

MONREVEにお越しくださるお客様のお仕事のスタイルを聞くと、デスクワーカーの方がほとんどです。
そのため「肩こり」はほとんどの方が抱えている悩みといっても過言ではありません。
ChatGPTに聞いてみた肩こり対策
試しにChatGPTに「肩こりを治す効果的な方法は?」と質問してみたところ、模範的な答えが返ってきました。
💡 まとめ
- ストレッチで筋肉をほぐし、お風呂やカイロで血流を促す
- 姿勢改善とデスクワーク対策を行う
- 運動や食事、睡眠の質を高めて根本的に改善する
シンプルですが的を射ていますよね。
ただ、「そんなことは分かっているけど、実際になぜ肩こりになるの?」と思う方も多いと思います。
そこで今回は、解剖学や生理学の視点から、肩こりの仕組みをもう少し具体的に解説していきます。
肩こりの原因を解剖する
肩こりを考える上で、今回は特に「血流や血管」に注目してみます。
大きく分けると、次の2つがポイントです。
- 血流が悪くなっている
- 異常な血管が増殖している
理由① 血流が悪くなっている
長時間のデスクワークなどで肩や首周りの筋肉(僧帽筋・肩甲挙筋・菱形筋など)が緊張すると、血液の流れが滞ります。
その結果、筋細胞が徐々に変性する過程で発痛物質が放散され、コリ感や重だるいような痛みを生じていると考えられます。
ここでいう「緊張」とは、筋肉が突っ張ってパツパツに張っている状態です。
よく、筋肉が硬い=固まって短くなっていると捉えられがちですが、釣竿に魚がかかったときにピンとしなるように、テンションがパツパツで頑張らざるを得ないと言う意味で緊張が高い場合があり、肩こりに該当する筋肉は、どちらかと言うと後者に該当します。
この筋肉の張りによって、慢性的な血流不良を招きます。
理由② 異常な血管が増殖している
人間だけでなく、血管を持つ動物は普遍的に、良くも悪くも既存の血管から新しい血管が作られる過程が存在します。
身体の成長、傷を治す過程などです。
血管は本来、成長や傷の修復に欠かせないものですが、肩こりのような慢性痛では「好ましくない増え方」をすることがあります。
この好ましくない血管の増殖は、理由①の「血流不足」による酸欠状態がきっかけであると考えられます。
血流不足≒肩こりの原因となる筋肉の緊張などの影響で、動脈からくる酸素や栄養の供給が少なくなる、もしくは、静脈が渋滞してしまい、酸素や栄養が局所で消費されすぎて酸欠状態になります。
はたらく細胞の映画をみた方は、ある意味話題?の永野芽郁さん(赤血球)が酸素ボンベを持っていろんな臓器などに運んでいたのを覚えているかもしれませんが、あれが少なくなっている状態は、動脈側のお話です。
この局所の酸欠状態が、なんやかんやあって不十分な血流を補おうとする反応として新しい血管を作ろうするのです。
そして血管が増えると、その伴走者である神経も一緒に増えます。
その神経の中に「痛みを伝えるC線維」が含まれており、刺激を受けることで慢性的な痛みやコリを感じるのです。
肩こり改善の考え方
多くの人に共通しているのは、デスクワークやスマホ操作で背面の筋肉が常に張りやすいことです。
改善のポイントは、
- 背中〜首後面の筋肉の圧を下げる(=張りを和らげる)
- 身体の前面の伸張性を高めて、背面の力みを減らすエクササイズを取り入れる
ことです。
マッサージなど局所的なアプローチも効果的ですが、姿勢や動作パターンを改善する方が「再発防止」にはつながりやすいです。
そのため、慢性的な肩こりには整体よりも運動の優先度が高いと私は考えています。
まとめ
肩こりの裏側では、
- 筋肉の張りによる血流不足
- それに伴う異常な血管・神経の増加
が関係していると考えられます。
そのため改善には、
- 姿勢改善
- 血流を促す運動習慣
- 前面の柔軟性を高め、背面の力みを減らすエクササイズ
が効果的です。
…と書いてきましたが、実はこの記事も夜中に2時間ほど前のめりで書いたので、明日の朝は肩がこっているかもしれません笑
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
<参考文献>
・北村 清一郎他 運動療法 その前に!運動器の臨床解剖学アトラス p.2-11
・赤羽根 良和 肩関節拘縮の評価と運動療法 p.87-88
・虚血性骨格筋における血管内皮細胞増殖因子および血管内皮細胞増殖因子受容体2(KDR/Flk-1)の発現とその再生